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シックハウスとアレルギーの関係|アトピー・喘息の方は建材選びに注意を

シックハウス 空環研 空気環境改善研究所 石坂 相談 空気の専門家

アトピー性皮膚炎や喘息など、アレルギー体質の方にとって、住まいの「空気環境」は非常に大切です。その中でも、特に影響が大きいのが建材の選び方です。

たとえば、一般住宅で広く使われている「塩ビクロス(ビニールクロス)」と呼ばれる壁紙は、一見すると無害そうですが、実際には石油化学製品です。これはプラスチック製品の一種であり、柔軟性を持たせるために**可塑剤(かそざい)**が添加されています。

その可塑剤の代表格が「フタル酸エステル類」です。これは**準揮発性有機化合物(SVOC:Semi-Volatile Organic Compounds)**に分類され、VOC(揮発性有機化合物)よりも揮発性は低いものの、長期間にわたり室内に放出され続ける性質があります。

フタル酸エステル類については、アレルギー症状を悪化させる可能性があるという研究報告も複数存在しています。室内に塩ビクロスを使用していると、数年から数十年にわたってSVOC成分が空気中に放出されるため、アレルギー体質の方にとっては特に注意が必要です。

また、これらの化学物質はホコリに付着しやすく、それが室内を舞って皮膚に触れたり、鼻の粘膜に入ったりすると、くしゃみや咳、皮膚のかゆみなどの症状を引き起こします。

現在のシックハウス症候群の主な原因は、ホルムアルデヒドなど旧来のVOCだけではありません。**イソチアゾリノン系防腐剤や可塑剤といった、「代替化学物質」**が主な原因となっており、安全と思われていた建材にも注意が必要です。

したがって、アレルギー体質の方が選ぶべき建材としては、自然素材が推奨されます。ただし、「自然素材」という表示だけに安心せず、使用されている接着剤や塗料の成分、さらには室内の湿度管理や換気状況まで含めて総合的に検討することが重要です。

健康に配慮した家づくりを進めるには、素材選びと空気環境に関する正しい知識が不可欠です。シックハウス症候群を予防し、快適な暮らしを実現するために、今こそ建材選びを見直すタイミングかもしれません。

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  • この記事を書いた人

空環研_石坂

空気環境改善研究所代表理事 石坂閣啓(イシザカタカヒロ) 三浦工業株式会社入社後、三浦環境科学研究所に配属 その後愛媛大学に出向、大学院農学研究科の環境産業科学研究室の助教を経て独立。 室内中の124種類以上の化学物質が検出可能な「エアみる」を使った空気測定を使って令和のシックハウス対策に取り組む 専門:室内空気中の化学物質汚染

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