シロアリ対策に、自然由来の「ホウ酸」という選択肢
「防蟻処理=農薬」って、本当に安全?
「防蟻処理は必ず必要です。地震で家が倒壊しないように。」
そう聞くと、確かにシロアリ対策は家を長持ちさせるために欠かせないものだと、多くの人が思うのではないでしょうか。
そして、ハウスメーカーや工務店からはこう説明されます。
「うちの防蟻処理は農薬を使ってますが、安全ですよ。5年ごとに再処理してくださいね。」
でも、ちょっと待ってください。
農薬って、体に悪いものでは?
農薬散布の現場を思い浮かべて、健康への影響を不安に感じる方も少なくないはずです。
実は、“農薬を使わない”防蟻処理もある
そんな中、注目されているのが「ホウ酸処理」。
自然界にふつうに存在する元素「ホウ素」からできていて、安全性が高いのに、しっかり防蟻・防腐の効果があるということで選ばれ始めています。
ホウ酸ってどんなもの?
ホウ酸は、特別な化学物質ではありません。
岩石や土壌、水の中に自然に含まれており、火山や温泉地帯などでは特に多く産出されています。土壌中では10〜20ppm程度で存在し、植物の成長に不可欠な微量栄養素としても知られています。
実は、人の体にもホウ素は必要なミネラルで、多くの食品に微量含まれています。
代謝や酵素の働きを助ける役割があり、ホウ素が不足すると動植物の細胞で“飢餓状態”になることもあると報告されています。
人にも環境にもやさしい理由
ホウ酸の特徴は、「効く相手を選べる」ということ。
つまり、人間や哺乳動物にはほとんど害がなく、シロアリや木材腐朽菌といった特定の生き物にだけ作用するんです。
たとえば、ホウ酸の致死量(LD50)はラットで約4000mg/kg。これはなんと、『食塩とほぼ同じレベル。』
濃度をきちんと管理すれば、日常生活においてほとんど問題はありません。
まとめ:家族と住まいを守る選択肢としてのホウ酸
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農薬ではなく、自然素材のホウ酸で防蟻・防腐処理をする
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人や動物にやさしく、化学物質による空気汚染のリスクが少ない
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安全性が高く、しかも効果はしっかり
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定期的な再処理も不要になる場合がある
これから家を建てる方も、リフォームを考えている方も。
「防蟻=農薬」じゃないという選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。
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参考文献
Gentz, M. C., & Grace, J. K. (2006). A Review of Boron Toxicity in Insects With an Emphasis on Termites. Journal of Agricultural and Urban Entomology, 23(4), 201–207.