高断熱高気密化した住宅の空気は入れ替わりにくい?
高断熱・高気密住宅は、省エネルギーで快適な住まいを実現するための現代的な住宅仕様です。
しかしその特性ゆえに、空気がこもりやすく、シックハウス症候群や空気汚染のリスクが指摘されています。
「自然換気」「パッシブ換気」という選択肢
このような住まいで注目されているのが、「自然換気」あるいは「パッシブ換気」と呼ばれる手法です。
自然換気とは、空気や湿度、温度、水蒸気などが“濃度の高い方から低い方へ移動する”という性質を活かした換気方法のこと。
機械に頼らず、建物の構造自体に工夫を施すことで、自然な空気の流れを促進します。
たとえば室内の湿度が高い場合、湿気は透湿性のある壁材などを通して、湿度の低い外部へと自然に抜けていきます。こうした素材選びも、自然換気を成功させる一つの要素です。
また、空気の汚染物質や化学物質(VOC)も、濃度差を利用して徐々に移動・拡散します。
これにより、目に見えない部分で少しずつ室内の空気が入れ替わっているのです。
特に高気密・高断熱住宅では、24時間換気システムが必須とされています。なぜなら、機械換気が止まってしまうと、わずか1時間ほどで空気が急速に汚れてしまうからです。
このため、機械換気は原則として常時稼働させる必要がありますが、万一の停電や故障といった事態に備え、「自然換気」というバックアップの仕組みを住宅設計に取り入れることが重要です。
現在のシックハウスの原因は、ホルムアルデヒドなどの旧来のVOCだけではなく、それらの代替化学物質による空気汚染も指摘されています。これらは揮発性がありながら、VOCには分類されない場合もあるため、換気の工夫はますます重要になっています。
機械換気と自然換気を組み合わせることで、より安定した空気環境を目指せます。長く住む家だからこそ、「見えない空気」への配慮を大切にしたいですね。
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