室内空気質評価基準

室内空気質評価基準(プレビュー確認用)

一般社団法人 空気環境改善研究所(空環研)

室内空気質評価基準

(2026年7月3日 一部改定)

総合評価

総合評価は以下の4段階で判定します。

Excellent(優秀) Good(良好) Fair(注意) Needs Improvement(改善が必要)

Excellent(優秀)のうち、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを含めて確認し、VOC類・代替物質・総濃度の3項目すべてPass☆であった場合は、より信頼性の高い評価として★ Excellent☆(特に優秀)の対象とします。

カテゴリー

  • 新築完成時:新築およびリフォーム完成後3カ月以内
  • 新築:築1年以内
  • 既存住宅:完成後1年以上(築3年〜5年後の夏期の測定を推奨)

評価基準

総合評価は以下3項目に基づき判定します。

  1. 指針値物質の測定結果(VOC類)
  2. 代替物質の検出
  3. 総濃度

判定基準

Excellent(優秀)

3つ以上の項目でPassを獲得した場合。

ただし、次に該当する場合はExcellentとせず、Good以下とします。

  • アセトアルデヒドの指針値超過が認められた場合
  • α-ピネン濃度(トルエン換算値)が2,000 µg/m³以上であった場合
  • TVOC濃度が5,000 µg/m³以上であった場合
  • 解説資料の総合評価が△となった場合

Good(良好)

2つ以上の項目でPassを獲得した場合。

Fair(注意)

1つ以上の項目でPassを獲得した場合。

Needs Improvement(改善が必要)

Passが0の場合。ただし、室内濃度指針値を超過した場合はこの判定となります(アセトアルデヒドの超過は除く)。

なお、TVOC濃度が5,000 µg/m³以上の場合は、空気環境改善研究所が実施した新築木造住宅55件の調査における95パーセンタイル濃度を上回る値であり、室内空気中の化学物質濃度が相対的に高い状態と判断します。そのためTVOC濃度が5,000 µg/m³以上の場合は、Excellentとせず、原則としてGood以下の判定とします。

ただし、TVOCを構成する主な成分が木材由来成分であり、α-ピネン濃度が2,000 µg/m³未満で、代替物質の検出状況にも大きな問題がない場合は、TVOC濃度のみを理由にFair(注意)以下の判定とはしません。

一方、TVOC濃度が5,000 µg/m³以上であり、木材由来以外の接着剤・塗料・溶剤・ワックス等に由来すると考えられる成分の割合が高い場合、または代替物質の検出状況に注意が必要と判断される場合は、Fair(注意)以下の判定とする場合があります。

アセトアルデヒドの指針値超過が認められた場合は、Excellentとせず、最大でもGoodの判定とします。ただし、アセトアルデヒドの超過に加え、TVOC濃度が高く、代替物質や木材由来以外の成分にも注意が必要と判断される場合は、Fair(注意)の判定とする場合があります。

今回の測定でホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを含めて確認し、測定を行った室内濃度指針値物質の結果がすべて室内濃度指針値以下であった場合は、より信頼性の高い評価としてExcellent☆(特に優秀)の対象とします。

各評価項目基準

カテゴリー:新築完成時/新築/既存住宅。fail → Pass → Pass☆ の順で検証します。

1. 指針値物質の測定結果(VOC類)

判定条件
fail室内濃度指針値を超過した場合(アセトアルデヒドの超過は除く)。
Passトルエン、エチルベンゼン、スチレン、キシレン、パラジクロロベンゼン、テトラデカンの室内濃度指針値の超過がない、かつホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを測定していない場合。
Pass☆測定を行った室内濃度指針値物質の結果すべてが室内濃度指針値以下。これまでのホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを測定していて指針値のないことが確認場合も含む。

2. 代替物質の検出

判定条件
failTVOCを構成する上位5成分のうち、木材由来以外の成分の合計濃度が約400 µg/m³を上回ること、または木材由来成分の割合が50%以下(ただしTVOC濃度が400 µg/m³以下の場合は除く)。
PassTVOCを構成する上位5成分のうち、木材由来以外の成分の合計濃度が約400 µg/m³を下回ること。
Pass☆TVOCを構成する上位5成分すべてが木材由来成分、または木材由来以外の成分がすべて40 µg/m³を下回ること。

3. 総濃度

判定条件
fail一ヵ月後のTVOC濃度が400 µg/m³を上回り、かつTVOCを構成する上位5成分の8割以上が木材由来以外の接着剤や塗料由来成分である場合。または半年後のTVOC濃度が2,000 µg/m³を上回ると想定される場合。
Pass濃度推移予測で半年後のTVOC濃度が2,000 µg/m³を下回ると想定され、かつ木材由来以外の成分が400 µg/m³を下回ると想定される場合。
Pass☆TVOC濃度が400 µg/m³を下回る場合。ただし新築完成時の検査では、濃度推移予測で一ヵ月後のTVOC濃度が2,000 µg/m³を下回り、かつTVOCを構成する上位5成分の8割以上が木材由来成分である場合。

補足:これまでの調査でTVOC濃度の多くをα-ピネンなどの木材由来成分が占める事例が確認されています。α-ピネンについてはドイツのガイドライン値2,000 µg/m³があることから、空気環境改善研究所では注意目安としてα-ピネン濃度評価(トルエン換算値)の2,000 µg/m³を用いています。また、空気環境改善研究所が実施した新築木造住宅55件の調査ではの中央値は1,500 µg/m³、95パーセンタイル濃度は5,000 µg/m³でした。そのためTVOC濃度が5,000 µg/m³以上の場合は相対的に高い濃度と判断し、成分構成を確認したうえで総合評価を行います。特にTVOC濃度が5,000 µg/m³以上の場合は、木材由来成分だけでなく、接着剤・塗料・溶剤・ワックス等に由来する成分が含まれていないかを確認します。ただし、TVOC濃度が5,000 µg/m³以上であっても、主な成分が木材由来成分であり、α-ピネン濃度が2,000 µg/m³未満で、代替物質の検出状況にも大きな問題がない場合は、TVOC濃度のみを理由にFair(注意)以下の判定とはしません。

ホルムアルデヒド・アセトアルデヒドの取り扱い

ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、建築基準法や建材規制、換気対策などにより一定の対策が進められている物質であるため、過去の測定や使用建材・施工内容から対策済みであることが確認できる場合、必ずしも毎回測定を行う必要はありません。今回これらの測定を実施していない場合でも、それだけを理由に総合評価を下げるものではありません。

参考文献

Ishizaka, D.T., Matsushita, T., Kawashima, A. Indoor air quality and health risk assessment of α-pinene, D-limonene, and Total Volatile Organic Compounds (TVOC) in newly constructed wooden houses. Atmospheric Environment, 365, 121691, 2026.