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空気清浄機では化学物質が取れない?シックハウス対策の正しい選び方ガイド

シックハウスと空気清浄機の選び方──化学物質に敏感な方へ

令和のシックハウス対策に挑む、室内空気と化学物質の研究者、「空環研(くうかんけん)」の石坂です。LINEから、こんなご相談をいただきました。「匂いや室内空気中の化学物質が気になるのですが、おすすめの空気清浄機はありますか?」という内容です。ありがとうございます。

市販の空気清浄機のほとんどは化学物質を除去できないという真実

空気清浄機にはさまざまな種類がありますが化学物質や匂いをしっかり除去できる製品は、実はとても少ないです。

一般的な空気清浄機の特徴

市販されている一般的な空気清浄機の多くは、「ホコリを除去する」ことに特化しています。フィルターに風を通し、ホコリを取り除く仕組みですが、化学物質を分解したり吸着したりする機能は、実際のところほとんど備わっていません。

ただ、ホコリ自体が化学物質を吸着する機能があることから、化学物質が全く除去できないということはなく、埃を除去することで室内の空気を清浄に保つ受けて有効な効果があることは事実です。空気清浄機を使わないよりも使った方が室内空気がきれいになるという考えでよいと思います。

ある調査によれば、空気清浄機を使用している家庭と、そうでない家庭を比較した際に、子どもの精神神経の発達に有意な差が見られたというのです。詳細はこちら→https://kuukanken.jp/blog-82/

空気清浄機で化学物質を除去するために必要なものは活性炭などの吸着剤

そこで重要になるのが、「活性炭」や「活性炭フィルター」といった、化学物質を吸着できる機構を持つタイプの空気清浄機です。これらは、室内の匂いや化学物質による汚染を、しっかりと除去してくれます。

このような機能が付いている空気清浄機を選んでいただくことをおすすめします。

一方で注意が必要なのは、活性炭フィルターには「吸着できる量」に限界があるという点です。一定量の化学物質を吸着すると、その機能は失われてしまうため、定期的な交換が必要になります。「活性炭フィルターが付いているから何年も大丈夫」とは思わないように注意してください。

そのため、フィルターを頻繁に交換できるタイプ、または交換がしやすい製品を選ぶことが非常に重要です。

さらに近年では、活性炭フィルターに吸着された化学物質を除去・分解する機構が搭載された空気清浄機も登場しています。こうしたシステムを備えていれば、フィルターをより長く使えるようになります。

このような機能が搭載された空気清浄機を選べば、室内の空気を清潔に保つうえで非常に大きな効果が期待できます。

VOCとは何か?

揮発性有機化合物(VOC)は、トルエン、ホルムアルデヒド、キシレンなどに代表される室内空気を汚染する化学物質の総称です。これらは接着剤、塗料、プラスチック素材などから発生し、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因になることがあります。

VOCに関しての詳細はこちら


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  • この記事を書いた人

空環研_石坂

空気環境改善研究所代表理事 石坂閣啓(イシザカタカヒロ) 三浦工業株式会社入社後、三浦環境科学研究所に配属 その後愛媛大学に出向、大学院農学研究科の環境産業科学研究室の助教を経て独立。 室内中の124種類以上の化学物質が検出可能な「エアみる」を使った空気測定を使って令和のシックハウス対策に取り組む 専門:室内空気中の化学物質汚染

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