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シックハウスと化学物質過敏症──新築や生活用品に潜む見えないリスク

シックハウス 空環研 空気環境改善研究所 石坂 相談 空気の専門家

化学物質過敏症は、ある日突然、誰にでも発症する可能性がある病気です。これは特別な体質の人だけの問題ではなく、長期間にわたって化学物質にさらされることで、身体が敏感に、そして過剰に反応するようになる症状です。

新築やリフォーム後の住まいに潜むリスク

近年の住宅は高気密・高断熱化が進み、外気の流入を抑える設計になっています。その反面、建築直後の住宅には、さまざまな化学物質が空気中に残留しやすい環境となっています。

とくに注意したいのが、新築やリフォーム直後の家屋内に残る化学物質です。接着剤や塗料、防腐剤、防蟻処理剤などの建材に含まれる**揮発性有機化合物(VOC)**は、空気中に放出されることで、呼吸を通じて体内に取り込まれます。

かつてはホルムアルデヒドが主な原因とされてきましたが、現在ではイソチアゾリノン系防腐剤や可塑剤など、より見えにくい代替化学物質が問題視されています。これらはF☆☆☆☆(フォースター)などの表示基準を満たしていても、症状を引き起こす可能性がある点に注意が必要です。

日用品にも潜む化学物質

住宅だけでなく、私たちの身の回りにある日用品にも注意が必要です。たとえば、

  • 香り付きの柔軟剤や洗剤

  • 室内用芳香剤や消臭スプレー

  • 抗菌加工された製品やスプレー類

これらに含まれる香料や抗菌剤もまた、化学物質過敏症を引き起こす一因となることがあります。毎日使うものであるからこそ、知らず知らずのうちに体内に化学物質が蓄積される可能性があります。

暮らしの中でできる予防とは

化学物質過敏症を防ぐためには、化学物質との接触を最小限にする生活習慣がとても重要です。具体的には以下のような工夫があります。

  • 新築・リフォーム後はしっかりと換気を行う

  • 香りの強い製品を避ける

  • 成分表示を確認し、できるだけ自然由来の製品を選ぶ

  • 体調不良が続く場合は、室内環境を見直してみる

空気は目に見えませんが、私たちが一日中吸い込み続けているものです。だからこそ、住環境や日用品に含まれる見えない化学物質に注意を払い、できる範囲でコントロールしていくことが健康を守る鍵となります。


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  • この記事を書いた人

空環研_石坂

空気環境改善研究所代表理事 石坂閣啓(イシザカタカヒロ) 三浦工業株式会社入社後、三浦環境科学研究所に配属 その後愛媛大学に出向、大学院農学研究科の環境産業科学研究室の助教を経て独立。 室内中の124種類以上の化学物質が検出可能な「エアみる」を使った空気測定を使って令和のシックハウス対策に取り組む 専門:室内空気中の化学物質汚染

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