これから家を建てようと考えている方にとって、「建材選び」は見落としがちな重要ポイントです。特に、小さなお子さまやご家族にアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー症状をお持ちの方がいらっしゃる場合、建材の種類や成分が健康に直結することを忘れてはいけません。
実際に、北海道大学の研究では、「複合フローリング」を使った住宅に住むお子様では、アトピーなどの肌荒れの発症率が最大2倍に高まるというデータが報告されています。これは偶然ではなく、使用されている建材に含まれる化学物質が一因であると考えられています。
複合フローリングをはじめとする工業製品系の建材には、**石油化学由来の成分(プラスチックなど)**が多く含まれており、それを補強・安定させるために次のような化学物質が使用されています:
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可塑剤(例:フタル酸エステル類)
→ プラスチックを柔らかくする成分。**SVOC(準揮発性有機化合物)**に分類され、揮発性は低いが長期間放出され続ける。 -
難燃剤(例:ハロゲン系化合物など)
→ 火災時の延焼を防ぐための成分。環境ホルモン作用が指摘されているものもある。 -
紫外線防止剤・酸化防止剤
→ 材料の劣化を防ぐために添加。アレルゲンとなる場合がある。
これらは一見、安全基準を満たしているように見えますが、長期間の影響は近年ではホルムアルデヒドなどの旧来のVOCよりも、こうした「代替化学物質」こそがシックハウスの主因であるという認識が高まっています。これを長期型シックハウスと呼んでいます(←私が)
また、これらの化学物質は空気中のホコリに付着して体内に取り込まれやすく、長期的にみて皮膚や呼吸器に慢性的な影響を及ぼす可能性があります。
建材選びは、単に「デザイン」や「コスト」だけで判断すべきものではなく、ご家族の健康を左右する“空気環境”を整えるための選択でもあります。
「自然素材」を使った建材は有効な選択肢の一つですが、それだけでなく、使用されている接着剤や塗料の種類、そして湿度管理・換気計画までトータルで配慮する必要があります。
家づくりは人生における大きな決断の一つ。だからこそ、「何を選ぶか」が「どう暮らすか」に直結します。アレルギーやシックハウスに悩まされない家づくりのために、エビデンスに基づいた建材選びをおすすめします。
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