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乳幼児の寝具まわりでシックハウス対策_睡眠微小空間SMEについて

令和のシックハウス問題に挑む 室内空気と化学物質の研究者 空環研石坂 シックハウス 空環研 空気環境改善研究所 石坂 相談 空気の専門家
新生児から4歳頃までの子どもは、1日の大半を「眠ること」に使います。その時間にどんな空気を吸っているかは、意外と見落とされがちですが、とても重要な視点です。

心当たりはありませんか?

  • 寝室は整えているが、マットレスや寝具の空気までは意識していない
  • 子どもが長時間寝ている環境について、詳しく考えたことがない
  • 家全体の空気対策はしているが、埃やマットから出てくる化学物質は気にしていない

乳幼児期に注目したい「睡眠微小環境(SME)」とSVOCの影響

新生児から4歳頃までの乳幼児は、1日に最大で18時間ほど眠るといわれています。
そのため、生活時間の多くをマットやベッド周りで過ごすことになります。

このとき重要になるのが、寝具・マットレスを含む呼吸域の空気環境です。
この領域は、マットレス由来の化学物質や、ダニなどの微生物の影響を受けやすい特徴があります。

睡眠微小環境(SME)とは、
睡眠中の呼吸域周辺において、化学物質やダニなどの影響を受けやすい空気環境のことを指します。

睡眠微小環境(SME)の空気質は、健康に影響する可能性のある重要な要素です。
家全体の空気環境を整えることに加え、子どもの室内環境、特に睡眠環境にも目を向けることが大切だと考えています。

睡眠微小環境(SME)で意識したいSVOC

SVOCとは「準揮発性有機化合物」のことで、沸点がやや高く、ホコリに付着しやすい性質をもつ化学物質です。
SVOCは「ホコリに含まれる化学物質」と捉えていただいても、大きな誤解はありません。

SVOCに含まれる成分と注意点

SVOCの中には、影響が示されている成分が含まれることがあります。
代表的なものに、フタル酸エステル類があります。

フタル酸エステルは可塑剤(プラスチックを柔らかくする成分)として使用され、さまざまな種類があります。
また、難燃剤や紫外線防止剤など、プラスチック製品の添加剤として使用される化学物質もSVOCに含まれます。

  • 乳幼児のために柔らかい素材で
  • 燃えにくい素材で
  • 掃除しやすいように汚れが取れやすい素材で

こうした意図のもとで使用されている素材であり、それ自体を否定するものではありません。

ただし、そのような製品にはSVOCが含まれる可能性がある、という前提を知っておくことで、
代替となる素材や選択肢にも目を向けやすくなると考えています。

乳幼児だから気を付けたいポイント

子どもは成人に比べて、SVOCを含む環境汚染物質への曝露量が多くなる傾向があります。
これは、吸入率が高いこと、体重あたりの皮膚表面積が大きいこと、手や物を口に入れる行動が多いことなどが要因とされています。

特にオルトフタル酸エステルや特定の有機リン酸エステルについては、小児喘息の発症率上昇、認知機能への影響、内分泌かく乱との関連が示唆されており、子どもの曝露量が多い点が懸念されています。

これらの影響については、さまざまな研究で示されていますが、
あくまで可能性として注意が必要と捉える視点が重要です。

家全体と同時に「子どもの睡眠環境」に目を向ける

子どもは生活の中で睡眠が占める割合が非常に高く、呼吸域が寝具に近い状態が長時間続きます。

そのため、家全体の空気対策と同時に、寝具・マットレス周辺の空気、
すなわち睡眠微小環境(SME)を意識して整えることが、
シックハウス対策や健やかな暮らしにつながる重要な視点となります。

「家はきれいにしているから大丈夫」と感じていても、
睡眠中の呼吸域という限られた空間には、別の注意点が存在するかもしれません。
まずは気づくことから始めることが大切です。

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  • この記事を書いた人

空環研_石坂

空気環境改善研究所代表理事 石坂閣啓(イシザカタカヒロ) 三浦工業株式会社入社後、三浦環境科学研究所に配属 その後愛媛大学に出向、大学院農学研究科の環境産業科学研究室の助教を経て独立。 室内中の124種類以上の化学物質が検出可能な「エアみる」を使った空気測定を使って令和のシックハウス対策に取り組む 専門:室内空気中の化学物質汚染

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