
新築やリフォーム、引っ越し直後の暮らしでは、室内に放散される化学物質の濃度が高くなるため、軽度の体調不良が起きやすくなります。この「初期型シックハウス」は、対策を怠ると化学物質過敏症に進行する恐れもあります。この記事ではそのメカニズムと、具体的な3つの対処法についてお伝えします。
春の新生活、シックハウスが相談が多い時期です
春の新生活。体調を崩していませんか?
もしかするとその原因、「初期型シックハウス」かもしれません。
新築やリフォーム直後は、空気中の化学物質が急激に放散されるため、不調が出やすい時期です。
よくある症状は「家にいると体がだるい」「頭がぼんやりする」といった軽度なもの。
しかし、放っておくと化学物質過敏症へと進行する恐れもあります。
なぜ新生活で不調が出やすいのか
シックハウスの原因は、空気中に存在する化学物質です。
新しい建材、新しい家具、新しいカーテンや生活用品など、すべてが新しいもので囲まれた状態になります。
「新築の匂い」や「新しい車の匂い」を経験したことがある方も多いかと思いますが、あの匂いの正体は化学物質です。
そうした化学物質に囲まれた新生活では、単純に化学物質の量が多く、シックハウスが起きやすいのです。
この化学物質は時間の経過とともに減っていきますが、新築やリフォーム、引っ越し直後が最も濃度が高い状態です。
これは「放散」と呼ばれる現象です。
イメージしやすい例で言うと、炭酸飲料です。
コップに注ぐと泡が大量に出てガスが抜けていきますよね?
この泡の量は注いだ直後が最も多く、時間とともに急激に減っていきます。
このように、化学物質の放散も「減衰曲線」と呼ばれるカーブに従って急激に下がっていきます。
しかもこれは、室内のさまざまな物質から同時に起こる現象です。
つまり、新築・リフォーム・引っ越し直後というのは、室内の化学物質が最も多い状態。
この時期に発生しやすいのが「初期型シックハウス」です。
たとえば壁紙の接着剤やペンキなどは、最初は強い匂いがしますが、しばらくすると消えてきますよね?
これは化学物質がガスとして急激に放散されたあと、徐々に減っていくためです。
ただし、完全に消えたわけではなく、物の表面に鼻を近づけてみると、わずかに匂いが残っていることもあります。
この「初期型シックハウス」で特に気をつけていただきたいのは、異変を感じたらすぐに避難することです。
または、換気を十分に行うことも重要です。
特に最初の1ヶ月間は、化学物質の濃度が非常に高いため、無理をしないことがとても大切なポイントになります。
今でもシックハウスはあるの?
最近、「シックハウスはもう問題ないのはないですか?」という質問をよくいただきます。
たしかにニュースなどで取り上げられることは少なくなりました。
しかし、実際には問題はまだ解決しておらず、むしろ増加傾向にあるのです。
施工会社や管理会社は「対策済み」と言います。
たしかに、今では多くの建材がF☆☆☆☆基準をクリアしています。
しかし、それでもシックハウスが発生しているのは、代替物質による汚染が見逃されているからです。
これを【令和のシックハウス問題】と呼んでいます。
かつて問題となったホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどは毒性が強く、重症化しやすかったため、使用が制限されています。
代わりに使われるようになった代替物質は比較的毒性が低く、健康被害も軽度です。
そのため、「ちょっと体調が悪いけど我慢すれば乗り越えられる」というケースが増えているのです。
このような状況下では、実はシックハウスが起きていても見逃されやすいのです。
しかし、無理をして暮らし続けると、一部の人では化学物質過敏症や重度の健康障害にまで発展してしまう場合があります。
重症化するシックハウスは減っていますが、軽度の化学物質汚染による不調は今も存在しています。
今からでも遅くない! 初期型シックハウスを防ぐ裏技(実践編)
【1】引っ越し前に空気測定を行う
入居前であれば、室内の化学物質を「エアみる法」などで測定することが非常に有効です。
“自然素材住宅”と謳っていても、実際には接着剤が使われていたり、有害なボンドで固定されていたりすることも多くあります。
特に、工期が押して引き渡し直前まで施工していた場合は、接着剤が十分に乾かず、高濃度の化学物質が残っているケースが多く見られます。
【2】入居時期に余裕があるなら遅らせる
化学物質は放散初期に急激に減るため、入居を1~2週間遅らせるだけでもリスクを大きく減らせます。
空気測定の結果を確認してから入居するのも効果的です。
【3】すでに住んでいて異変を感じる場合は避難と測定を検討
無理をせず、まず一時避難を。
家を開けてしっかり換気することで化学物質濃度は下がります。
同時に空気測定を行えば、戻る時期の目安も立てやすくなり、安心につながります。
✅ こんな場合はシックハウスを疑ってください
・家にいると体調が悪い
・外出中は元気になる
・引っ越し直後から原因不明の不調が続いている
追加対策:セラミックコーティング技術
室内の壁や家具などに吸着性のあるセラミックを吹き付けてコーティングすることで、空気中の化学物質を抑える方法です。
使用する素材や施工法によって効果は異なりますが、有効な手段のひとつです。
まとめ
今回は、「春の新生活で気をつけたいシックハウス症状とその対策」についてお伝えしました。
症状が軽い分、見落とされがちな現代のシックハウス。
でも、無理せず、正しい知識で対策をとれば、健康的な暮らしを守ることは十分に可能です。
空気環境に不安を感じたら、早めの行動が何より大切です。
🎯 今すぐできるアクション3つ:
- 空気の状態を“見える化”してみよう!
エアみる法はこちら - 💬気になる方は、まずは相談!
- まとめ動画、あなたの周りにも必要な人がいるかも
→ 「ぜひシェアして伝えてください」
https://youtu.be/UDOsrL_OU5k
LINE公式アカウントへの登録をお願いします。
https://line.me/R/ti/p/@153awirs
空気に関する最新情報やお知らせを定期的に受け取りたい方は、ぜひLINE公式アカウントに登録してください。
Line公式では空気に関する相談も受け付けています。気軽に登録できるので、ぜひご利用ください。