TVOC センサー 空気

TVOCとCO₂は何が違う?室内空気を正しく理解するための2つの指標

TVOCとCO₂。どちらも空気質センサーに表示されますが、この2つは何が違うのでしょうか? 実は、TVOCは化学物質の総量を捉える指標、CO₂は換気の状態を考える目安です。 室内空気を正しく理解するために、その違いを解説します。

TVOCとCO₂は、同じ室内空気を異なる角度から評価するための指標です。

CO₂の数値が低いからといって、室内の化学物質が少ないとは限りません。

反対に、TVOCが低くても、換気が十分であるとは限らないのです。

こんな疑問はありませんか?

  • CO₂が低ければ、室内の空気はきれいなのか
  • TVOCが低ければ、換気は十分なのか
  • 室内空気を確認するとき、どちらの数値を見るべきか

TVOCとは何を表す指標ですか?

TVOCとは、総揮発性有機化合物量のことです。

住宅の室内空気には、建材、家具、接着剤、塗料、日用品などから放出される、さまざまな揮発性有機化合物(VOC)が存在する場合があります。

TVOCは、これらの化学物質について、一定の測定方法によって総量を評価するための指標です。

ただし、TVOCの値だけでは、どのような化学物質が含まれているのか、それぞれの成分がどの程度存在しているのかまでは十分に分かりません。

TVOCの役割

室内空気中の揮発性有機化合物を、総量として捉えるための指標です。

ただし、TVOCの数値だけで化学物質の毒性や健康への影響を判断することはできません。

CO₂は何を確認するための指標ですか?

CO₂は二酸化炭素のことです。

室内では、人の呼吸などによってCO₂が発生します。

そのため、人がいる部屋では、換気量が不足するとCO₂濃度が上昇することがあります。

この性質を利用して、CO₂濃度は換気の状態を考えるための目安として使われています。

ただし、CO₂濃度は居住人数、外気のCO₂濃度、測定条件などにも影響されます。

CO₂が低いという情報だけで、すべての室内空気汚染物質が少ないと判断できるわけではありません。

CO₂の役割

人がいる室内で、換気が十分に行われているかを考えるための目安です。

ただし、CO₂だけでは、VOCなどの化学物質の濃度は分かりません。

CO₂が低ければ化学物質も少ないのでしょうか?

いいえ。CO₂が低くても、室内のVOCが少ないとは限りません。

例えば、新築住宅を考えてみましょう。

換気設備が適切に運転されていて、室内のCO₂濃度が低く保たれていたとします。

しかし、その住宅の建材や家具からVOCが放出されている場合、TVOC濃度が高くなる可能性があります。

つまり、CO₂の数値が低いことは、VOCが少ないことを保証するものではありません。

TVOCが低ければ換気は十分なのでしょうか?

反対に、TVOCが低くても、換気が十分であるとは限りません。

例えば、室内のVOC濃度が低い状態でも、多くの人が集まり、換気が不足していれば、CO₂濃度が上昇する場合があります。

このように、TVOCとCO₂は、それぞれ異なる情報を表しています。

覚えておきたい2つの違い

  • CO₂が低くても、TVOCが高い可能性
  • TVOCが低くても、CO₂が高い可能性

どちらか一つの数字だけで、室内空気全体の状態を判断することはできません。

TVOCとCO₂はどう使い分ければよいですか?

室内空気の状態を確認するときは、それぞれの数値が何を表しているのかを理解して使い分けることが大切です。

確認項目 TVOC CO₂
主な役割 VOCの総量を捉える指標 換気状態を考える目安
主な発生要因 建材、家具、生活用品など 人の呼吸など
分かること 一定の測定方法で評価したVOCの総量 室内のCO₂濃度
それだけでは分からないこと 個々の化学物質の種類や濃度、健康影響 VOCの種類や濃度、室内空気全体の状態

なお、家庭用の簡易TVOCセンサーでは、機器によって測定原理や表示値の算出方法が異なる場合があります。

CO₂についても、機器の測定方式を確認することが重要です。

それぞれの機器の特徴を理解して、数値を解釈する必要があります。

室内空気を詳しく調べたい場合はどうする?

TVOCとCO₂をそれぞれ確認することで、室内空気の状態を整理しやすくなります。

しかし、TVOCの数値だけでは、個々の化学物質の種類や濃度を十分に把握することはできません。

必要に応じて、個別のVOC成分を測定することで、室内空気についてさらに詳しい情報が得られます。

例えば、建材や家具などから放出される化学物質を調べることは、室内空気の特徴や発生源を考える手掛かりになります。

エアみる法による化学物質の分析

一般社団法人 空気環境改善研究所では、124種類以上の化学物質を測定対象とする「エアみる法」の普及に取り組んでいます。

エアみる法では、TVOCの総量だけでなく、個々のVOC成分の種類や濃度を確認することができます。

ただし、測定結果だけで健康への影響や体調不良の原因を断定できるわけではありません。

測定条件や室内の使用状況なども考慮し、結果を解釈することが大切です。

空気環境改善研究所は測定方法のご案内と相談、結果の活用支援を行い、エアみる法による測定はCTM研究コンサルが実施します。

詳しくは、空気測定「エアみる法」のご案内をご覧ください。

まとめ|TVOCとCO₂は異なる指標

TVOCは、複数の揮発性有機化合物をまとめて捉えるための指標です。

一方、CO₂は、人の呼吸などによって増加し、換気の状態を考える目安として使われています。

CO₂が低くても室内の化学物質が少ないとは限らず、TVOCが低くても換気が十分とは限りません。

TVOCとCO₂は、それぞれ役割の異なる指標です。

数値の意味を理解し、目的に応じて使い分けることで、室内空気の状態をより適切に把握できます。

VOCそのものの意味や、数値を見るときの注意点については、「VOCと室内空気質の健康影響まとめ」も参考にしてください。

ご相談は公式LINEから受け付けています。

LINEで聞いてみる

一般社団法人空気環境改善研究所の公式LINE

  • この記事を書いた人

空環研_石坂

空気環境改善研究所代表理事 石坂閣啓(イシザカタカヒロ) 三浦工業株式会社入社後、三浦環境科学研究所に配属 その後愛媛大学に出向、大学院農学研究科の環境産業科学研究室の助教を経て独立。 室内中の124種類以上の化学物質が検出可能な「エアみる」を使った空気測定を使って令和のシックハウス対策に取り組む 専門:室内空気中の化学物質汚染

-TVOC, センサー, 空気