PFAS 環境

PFAS(ピーファス)とはなにか?

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はじめに

最近、ニュースや業界の話題でよく耳にする「PFAS」という言葉。PFASは(ピーファス)と読みます。このPFASっていったい何なのでしょうか?ニュースに多く取り上げられておりますが、行政による検査や健康調査などの実施体制は整っておりません。

日本においてPFASの規制がスタートしようしている現在、事業主や化学物質の管理者の方はまずなにから取り組むべきか、また私たちの暮らしと健康を守るためにはどうしたらいいのか、先手を打って考えていかなくてはいけません。

空気環境改善研究所は環境問題の取組みの一つとして、このPFASの問題について取り上げていきます。

まず1回目はPFASの概要です、なんとなくPFASというものを理解頂けたら良いです。

 

PFASとは?有機フッ素化物の総称!!

PFASとは、「ペルフルオロアルキル物質」と「ポリフルオロアルキル物質」の略語です。といっても???だと思います。

虫歯予防に塗るフッ素とも違います。歯医者で塗るフッ素は無機フッ素で、無機物です。

物質は有機物と無機物に分けることができます。

 

有機物と無機物の違いはなんでしょうか。

 

有機物とは炭素と水素から成る化学物質です。無機物はそれ以外。有機物の特徴は燃えると水と二酸化炭素になるという特徴もあります。

つまり、有機フッ素化合物は炭素と水素のうち水素がフッ素に置き換わったものになります。

 

自然界には存在しない化合物です。

DALL·Eによって生成された

 

永遠の化学物質と呼ばれる理由

PFASの特徴は、フッ素と炭素の間にある非常に強い結合にあります。

フッ素は他の元素と結合しやすい性質を持っていますが、一度結合するとその関係はとても強固で、簡単には壊れません。この強固な結合のおかげで、PFASは非常に安定しており、環境中で長く残ります。これが「永遠の化学物質」と言われる由縁です。

 

では、なぜ永遠の化学物質と言われるほど、長く残るのでしょうか。

 

私たちの身の回りで、汚れやすいもの壊れやすいものを想像してみてください。水に良く濡れるものは汚れやすく、腐り安いイメージはありませんか?

水にぬれないように屋根の下に入れたりしますよね。

水をはじくには水と混ざらないものを表面にコーティングすると良いですね。水と混ざらないというのは疎水性とよぶのですが、表面を疎水性にすると水の侵入を防ぐことが出来るのです。

 

疎水性の物質の代表は油です。この中で鉱油とよばれるものは炭素と水素のみから構成されています。この水素の部分をフッ素に置き換えると水はもちろん、他の物質も寄せ付けなくなる性質を持ちます。

 

この水や油をはじく特質のおかげで、防水コートや防汚加工、消防用泡、さらにはいくつかの食品包装に有機フッ素化合物PFASが使われるようになりました。

DALL·Eによって生成された

 

PFASの利用と環境への影響

 

最近PFAS関連のニュースで耳にするPFASの暫定目標値を超過したというこの暫定目標値は4700種類以上PFASのうちのたった2種類のPFOSとPFOAと呼ばれる物質にたいするもので、PFOSは2009年に、PFOAは2019年に全廃が決まっていますが、いまでも環境に残り続けています。それが近年の調査で明らかになっています。たった2種類の化学物質でさえ、ずっと残り続けているわけですから、それ以外の挙動もきになります。

また、これらは

PFASはその便利さから多くの製品に使用されていますが、この「永遠の化学物質」とも呼ばれる特性が、環境問題として注目されています。PFASは自然環境ではなかなか分解されず、水や土壌に長く残ることで、野生生物や人間の健康に影響を及ぼす可能性があります。

 

事業者や管理者が知るべきこと

PFASを含む製品を扱う事業者や化学物質の管理者としては、PFASの使用や廃棄に特別な注意が必要です。また、使用している製品にPFASが含まれている場合、具体的にどのようなPFASが含まれているか把握するとともに、今後PFASが使用できなくなる事を想定した対策を考えていく必要があります。

数多くあるPFASの中で最も注目されているのはPFOSとPFOAの2物質です。

今のところ排水基準等は設けられておりませんが、今後規制が厳しくなる前に、排水や土壌中の汚染状況を把握されるのも対策の第1歩となります。

何から始めるべきか、空環研ではPFAS分析に関するご相談も承っております。

 

まとめ

・PFASは「ペルフルオロアルキル物質」と「ポリフルオロアルキル物質」の略語で、有機フッ素化合物を指します。

・これらの化合物は、フッ素と炭素の間の強い結合によって特徴づけられ、環境中で長く残る「永遠の化学物質」として知られています。

PFASは自然環境では分解されにくく、水や土壌に長期間残留し、野生生物や人間の健康に影響を及ぼす可能性があります。

・特にPFOSとPFOAのような特定のPFAS化合物は、その環境と健康への影響から注目されています。

・排水や土壌中のPFAS汚染状況の把握が重要であり、規制が強化される前に対策を講じることが求められています。

 

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  • この記事を書いた人

空環研_石坂

空気環境改善研究所代表理事 石坂閣啓(イシザカタカヒロ) 三浦工業株式会社入社後、三浦環境科学研究所に配属 その後愛媛大学に出向、大学院農学研究科の環境産業科学研究室の助教を経て独立。 室内中の100種類以上の化学物質が検出可能な「エアみる」を使った空気測定を使って令和のシックハウス対策に取り組む 専門:室内空気中の化学物質汚染

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