空気清浄機は、換気の代わりにはなりません。空気清浄機は室内の空気を循環させながらほこりや花粉などの粒子状物質を捕集する装置で、空気そのものを入れ替える働きはないためです。
こんなサインはありませんか?
- 空気清浄機を使っているのに、においやこもった空気が気になる
- 窓を開けるべきか、空気清浄機を使うべきか迷っている
- シックハウス対策として何を優先すればよいか知りたい
空気清浄機は換気の代わりになりますか
空気清浄機と窓開け換気では、部屋の空気をよりきれいにするのはどちらでしょうか。
室内の空気そのものを入れ替えるという点では、窓開け換気が重要です。
ただし、空気清浄機と窓開け換気には、それぞれ異なる役割があります。
どちらか一方ですべてに対応しようとするのではなく、何を減らしたいのかを考えて使い分けることが大切です。
空気清浄機は主に粒子状物質の除去、窓開け換気は空気そのものの入れ替えが役割です。目的が違うため、組み合わせて使うことが基本となります。
空気清浄機が得意なのはほこり・花粉などの粒子状物質
空気清浄機は、部屋の中の空気を吸い込み、フィルターなどを通して汚れを取り除く装置です。ほこりや花粉などの粒子状物質を捕集することは、空気清浄機が得意とする分野です。
ただし、室内の空気を循環させているため、外の空気と室内の空気そのものが入れ替わるわけではありません。また、一般的な空気清浄機では、においやVOCなどの気体状の化学物質を十分に除去できない場合があります。
空気清浄機が必要かどうかの判断基準や選び方については、シックハウス対策に空気清浄機は必要?効果・限界と選び方を解説(空環研通信 Vol.33)で詳しく解説しています。本記事では、換気との使い分けに絞って説明します。
窓開け換気は空気そのものを入れ替える
窓開け換気は、外の空気を室内へ取り入れ、室内の空気を外へ出す方法です。
室内で発生したにおいや気体状の化学物質を外へ排出するためには、換気が基本になります。
一方で、工場の近くや交通量の多い道路沿いなど、屋外の空気が汚れている場合もあります。
花粉や黄砂が多い時期にも、窓を開ける時間帯や方法を調整する必要があります。
外気の状態を確認しながら、無理のない方法で行うことが大切です。
換気を行う際の注意点
- 交通量が多い時間帯や花粉が多い日は外気の状況を確認する
- 屋外環境に応じて換気時間や方法を調整する
- 長時間の連続換気は必須ではない
窓開け換気は何分開ければよいのか
窓開け換気を行うときは、できるだけ離れた位置にある窓を開けます。
部屋の対角線上にある窓を開けることで、空気の入り口と出口ができ、室内に空気の流れが生まれやすくなります。
数分間窓を開けるだけでも、室内空気の入れ替えにつながることがあります。
ただし、必要な換気時間は、風の強さ、窓の位置や大きさ、部屋の広さ、住宅の間取りなどによって変わります。
数分で部屋全体の空気が入れ替わるとは限らないため、空気の流れを意識することがポイントです。
24時間換気は止めてもよいのか
住宅に設置されている24時間換気システムは、基本的に止めずに使用してください。
24時間換気は、室内の空気を継続的に入れ替えるための設備です。
そのうえで、においがこもったときや、短時間で空気を入れ替えたいときなどに、窓開け換気を組み合わせます。
空気清浄機は、ほこりや花粉などの粒子状物質を減らすために活用します。
空気清浄機、24時間換気、窓開け換気は、それぞれ役割が違います。
目的に合わせて組み合わせることが、室内空気を管理する基本になります。
役割を整理すると
| 手段 | 主な役割 | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|---|
| 空気清浄機 | 空気中の粒子を捕集する | ほこり・花粉などの粒子状物質を減らす | 空気そのものの入れ替え、気体状の化学物質の除去 |
| 窓開け換気 | 短時間で空気を入れ替える | においやVOCなどを外へ排出する | 屋外の空気が汚れている時間帯・時期 |
| 24時間換気 | 継続的に空気を入れ替える | 日常的な室内空気の維持 | 短時間で大量の空気を入れ替えること |
よくある質問
空気清浄機はつけっぱなしにしたほうがよいですか?
ほこりは生活のなかで継続的に発生するため、部屋を使用している間は運転を続けるほうが効果を得やすくなります。ただし製品ごとに推奨される使い方が異なるため、取扱説明書をご確認ください。フィルターの清掃や交換も併せて行います。
窓が1か所しかない部屋はどうすればよいですか?
部屋のドアを開け、他の部屋の窓や換気扇と組み合わせることで、空気の入り口と出口をつくる方法があります。
空気清浄機とサーキュレーターは同じものですか?
役割が異なります。サーキュレーターは空気を動かして循環させる装置で、粒子状物質を捕集する機能はありません。空気の流れをつくる補助として使います。
花粉の時期はどうすればよいですか?
窓を開ける時間帯を調整したうえで、粒子状物質の除去が得意な空気清浄機を併用する方法があります。
まとめ
シックハウス対策では、「空気清浄機」と「窓開け換気」のどちらか一方だけで十分というわけではありません。
空気清浄機は粒子状物質の除去、窓開け換気と24時間換気は空気そのものの入れ替えというように、それぞれの役割を理解して組み合わせることが、快適な室内空気環境づくりにつながります。
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執筆:石坂閣啓(農学博士)/一般社団法人空気環境改善研究所 代表理事
室内空気中の化学物質分析を専門とし、査読付き論文・特許を有する。空気環境の測定と改善に関する相談・情報発信を行っている。

